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日豊海岸をドライブ(3) 九州最東端の鶴御崎と荒波の寄せる佐賀関 (あったか冬の東九州紀行6)

旅行日:令和2年1月7~9日⑥

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 佐伯湾の南側を淡々と走り、鶴見半島の鶴御崎に向かっている。梶寄浦の集落ですでに県道は尽き、山間の険しい道になっている。元ノ間海峡を挟んで相対していた鶴見大島が下に見える。
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 見通しの悪い道が蜿蜒と続き、若干うんざり。ようやく景色が開けると、鶴御灯台が現れた。
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 クルマで進めるところまで進み、一番奥の駐車場に停めた。広い駐車場だが、ほかにクルマはいない。
 車止めを越え、緩やかな登りの舗装路をとぼとぼ歩き、灯台に辿り着いた。現在の灯台は昭和56年に建てられたものなので比較的新しい。東経132度5分で九州最東端の地だ。広島県の最西端よりもわずかに東に位置する。
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 灯台の奥には展望デッキが設けてあった。標高約180メートルの絶壁の上にあるので、眺望は素晴らしい。怖いくらいだ。決して寒くはないが、風は強い。植生は海洋性で常緑のものが多いため、季節感に乏しい。
 愛媛県南部、高知県西部の島影や山並みもくっきりと見える。愛媛県の由良岬や日振島まで約30キロの距離にある。
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岩礁が点在する豊後水道
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紺青の豊後水道に中ノ瀬が浮かぶ
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鶴御崎の先端部分。海原の向こうは愛媛県、高知県
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逆光に輝く日向灘
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 鶴見半島の付け根側を振り返ると、山上に橋のようなものが見える。「鶴御崎園地展望ブリッジ」らしい。ここよりも標高が高く(約250メートル)て、眺望はさらに良さそうだ。しかし、風は一層強そうだし、なにより登るのが大変そうという理由をつけて行くのを止めておく。
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 展望デッキの土台はレンガ造りであった。豊後水道の入り口にあたる地なので、軍事施設を転用しているのだろう。
 豊後水道は一番狭い豊予海峡(速吸瀬戸)の部分でも約8.5キロ(大分県佐賀関沖の高島-愛媛県佐田岬)の幅があり、明治期の大砲では敵艦の侵入を防ぐことができなかった。大正期になると射程距離も延び、大正15年に豊予要塞が設定されてようやく瀬戸内海の広範囲の封鎖が可能となった。
 鶴御崎には事故を起こした丹賀砲台の代わりとして、太平洋戦争期に2つの砲台が築かれている。
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ほんとうの九州最東端へ通じる道
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 梶寄浦に戻る途中、下梶寄集落にも寄ってみる。大字は梶寄浦の内だが、山がちの道を通らないと辿り着けない小さな集落だ。
 石垣に囲まれた建物群は「豊後水道海事博物館」だが、ここも火・水曜休みで見学できず。もとは水ノ子島灯台吏員退息所であった。
 水ノ子島というのは豊後水道の中央部に位置する岩礁で、呉軍港に出入りする艦船の航行に支障を来すことから、明治時代に灯台が築かれた。昭和61年に自動化される以前は孤島に灯台守が常駐しており、かれらはここから船で通勤していたという。
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瓦の「〒」マークは灯台が逓信省の所管だったため
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 水ノ子島までは下梶寄から約15キロを隔てており、先ノ瀬(これも岩礁)の先に豆粒のようにしか見えない。荒れる海を越えて通勤・退勤するのも、灯台に詰めている勤務も大変だったに違いない。
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石の浜からは鶴見大島の全景が見えた
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 佐伯湾沿いの道を戻り、そのまま佐伯市街に出た。海沿いの道を北上するのは時間がかかりそうなので、主要地方道36号で彦岳を越える。国道10号は内陸部を大分に向かっており、この主要地方道がかつての日向街道をトレースしているようだ。
 津久見で国道217号に出て、臼杵を経て佐賀関半島に進む。佐伯と臼杵の間とこのエリアの半島群をバッサリ切ってしまったので、いつかリベンジしに来なくては…。
 臼杵市の佐志生から間近に見えるのは黒島という小さな有人島だ。ウィリアム・アダムス(三浦按針)が乗船したオランダ船・リーフデ号が漂着したとされる地だ。
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 佐賀関の街が近づき、白木の「あまべの郷 関あじ関さば館」に寄る。16時ではさすがに食事処は閉じており、代わりに鯖寿司を買う。さすがに関サバではないだろう。

 佐賀関にはパンパシフィック・カッパー(旧日本鉱業)の佐賀関精錬所が立地する。大き目の漁港集落を想像していたが、相当に工業化が進んでいる。それにしても、半島の北側はものすごい風の強さだ。
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 佐賀関半島は佐賀関市街ですぼまっているが、先端部は膨らんでいる。
 県道635号がぐるっと半島の先端部を一回りしているが、北側は大工場を避けて山中を進むので海は見えない。もっとも、密生した木々が防風壁の役割をしてくれるので、きょうは助かった。幅員は狭い。
 岬には関埼灯台があるものの、風の強さに訪問を断念する。

 関崎までの道も相当に狭かったが、「この先幅員2.0メートル」の標識が立ち、「大型車輛の通り抜けは困難です」と看板が立っている。

道沿いから望む愛媛県・佐田岬半島
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南に続く海岸線。夕暮れが迫る
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 高台から下ると、黒ケ浜という海岸があり、大黒という集落がある。確かに黒っぽい色をした小石の浜があり、集落は風除けの高い壁の後ろに立地している。

夜に向かう黒ケ浜
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石垣が護る大黒の集落
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 沖に見えるのは高島だ。豊予要塞の島で、戦後は戦災孤児を集めて「高島少年海洋共和園」というのが開設されたが、昭和28年に無人島に戻っている。
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 大黒から次の小黒集落までの間には、道が本当に海っぺりを通る区間があった。きょうの半島の南側は穏やかだが、北側のような荒れ模様だったら、波をかぶったかもしれない。対向車との離合は絶対に困難で、もし行き合ってしまったら、海に落っこちないように退がらねばならない。
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 一周して漁港に戻る。佐賀関からは国道197号にかわる(217号との重複区間)。197号は高知市と大分市を結び、佐田岬・佐賀関間は海上国道となっている。
 最後の寄り道は道の駅「佐賀関」。海べりの高台にあり、荒れた海に臨む。遠くには鶴崎の工場群の煙突が並ぶ。海上には霧が立ち込めているようだ。
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 国道を神崎(幸崎)まで進み、臨海産業道路に回る。2車線の国道よりも4~6車線のこの道の方が速いという読みだったが、折しも帰宅ラッシュ時で大渋滞に巻き込まれた。
 大分市街近くで給油し、レンタカーを返却。走行距離は333.1キロであった。平均燃費は23.7キロ/リットルで、ハイブリッド車の割には大した数値は出なかった。加速時のモーター使用をかなり心掛けていた積もりだが、すぐに充電池が減ってしまう状態だった。こういう仕様なのか、充電池の性能が落ちているのか。

 今夜の宿泊地は別府市だ。列車で移動するので、きのう日田駅で買った切符は別府大学駅(別府駅と同額)までの通用にしておいた。大分駅に行くと、日豊線は強風の影響で遅延している。
 18:21発の中山香ゆきは大分始発だが、15分ほど遅れての発車となり、車内は大混雑であった。

 19時過ぎにはホテルに入る。軽装で夜の街を少し散策し、温泉に浸かって就寝。

★今回のルート★
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次の記事 レンタサイクルで宇佐神宮に参詣する
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中の人は相州生まれの相州育ち。アラサー。
地理・地図好きの筆者が、街を歩いたり、ドライブしたり、列車に乗ったり、山に登ったりしたことをダラダラと書いていきます。

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