FC2ブログ

Entries

紋別→湧別→佐呂間→仁頃→北見市 (雨降り・夏の北海道2018・7)

旅行日:平成30年7月2~5日⑦

最初の記事 北へのフライト
前の記事 鴻之舞金山跡と旧上藻別駅逓
 夏の北海道旅行、第3日目。紋別市山間部の鴻之舞金山跡から市街地近くに戻ってきた。

 港湾部にある「オホーツクとっかりセンター」に着いたのは11:28のことであった。なぜこんなに細かい時間を書くのかというと、11:30から始まるアザラシの給餌にギリギリで間に合ったからである。

 冬季の流氷で知られる紋別であるが、その流氷とともに北からゴマフアザラシがやって来る。この施設は迷ったり、網にかかったりした野生のアザラシの保護を目的とした施設である。規模はそんなに大きくない。
 200円の餌代等協力費をゲートに入れて回転扉を押し進んだが、ちっとも人の気配はない。こちらの存在は入り口のブザーによって知られているはずである。これはマズいことになったぞと思う。
 そして案の定、私一人を相手にアザラシの給餌が始まった。私さえ来なければ芸などせずにエサにありつけたであろうアザラシたちは、よほど不満なのかなかなかプールから上がってきてくれなかった。

 なんといっても寒かった。状況もさることながら、気温は10.3度しかなく、港湾部のため風が吹く。

ゴマフは漢字で「胡麻斑」。ゴマを散らしたような身体の斑点が特徴
IMG_2673.jpg

ぐでんとしているところを触らせてもらったが、身体は短い毛に覆われていた
IMG_2675_20180717043424ed8.jpg

唯一こちらに関心を示してくれたヤツ
IMG_2671_201807170434224f6.jpg

 紋別を後にして、国道238号を東へと走る。右手にはオホーツク紋別空港が見える。街からは近いが、東京便1往復しか就航していない。
 コムケ湖が現れたので、国道を外れて湖を見に行く。砂洲によってオホーツク海の入り江が切り離された海跡湖で、野鳥が多く飛来する地だという。

湿地帯の向こうに霧にけぶるコムケ湖
IMG_2679.jpg

白い花が咲く
IMG_2680_201807170434274a2.jpg

 コムケ湖とその東側のシブノツナイ湖の間にはかつて紋別空港があった。湖に挟まれた立地ゆえ滑走路を延ばすことができず、ジェット機が就航できる滑走路を確保するために現在地に移設されたという経緯がある。
 旧空港は自動車部品メーカーであるコンチネンタル・オートモーティブの試験コースに転用されている。滑走路を転用したコースには目隠しが立っており、敷地外からは建物しか見えないようになっている。事務所の建物は小ぶりだが、空港時代のものなのだろうか。

旧紋別空港
IMG_2687.jpg

 国道に戻ると、間もなく湧別町に入る。街の手前で湧別川を渡るのだが、川は大いに増水していた。北海道の河川は河原がない代わりに河畔林がしっかり茂っているのが特徴だが、その木々も濁った流れに浸かっていた。
 夜のニュースで知ったのだが、上流の遠軽町ではこの川に架かるいわね大橋が損傷し、橋自体が傾いたという。

湧別大橋。木々の列の向こう側が本来の流路
IMG_2691_20180725215859abb.jpg

濁流が勢いよく流れる湧別川
IMG_2693_201807252159002c3.jpg

 湧別からは日本で3番目に大きいサロマ湖に沿って走る。オホーツク海との間に長い砂洲が延びているはずだが、霞んでいて見えない。これでは海のようだ。
 芭露という集落の先で湖岸に立ってみた。河川が流入する辺りは湖水が茶色く濁っているが、湖全体の水位を上げるほどではないようだ。浅瀬には芥が漂着している。

サロマ湖畔にて
IMG_2695.jpg

大きな湖の茫漠とした景色
IMG_2697_20180725215903097.jpg

芭露川の河口の先は土砂で湖水が茶色く濁っている
IMG_2699.jpg

 佐呂間町に入り、北勝水産で昼食にしようとしたものの、本日休業。すぐ後にやって来たライダーも落胆していた。
 仕方がないので、富武士(とっぷし)まで引き返し、内陸部の佐呂間のセイコーマートで軽食を摂った。湖と同じ名前の街が湖と離れたところにあるのも妙だが、これは湖の名前を佐呂間別川(サル・オマ・ペツ:ヨシの生える川)から取ったことによる。

 若佐という集落で国道333号に出て、長さ4,110メートルの新佐呂間トンネルを抜けると北見市に戻る。この道は昨年も走ったが、途中で陽が暮れたのだった。
 峠の麓は仁頃という集落で、仁頃はっか公園には“ハッカ御殿”が保存されている。

ハッカ御殿こと旧五十嵐家住宅
IMG_2701_20180725215906939.jpg

 この建物は3年の歳月をかけて昭和12年に竣工した。仁頃でのハッカ栽培は明治40年頃に始まり、この家の当主である五十嵐弥市はハッカ商と大地主として財をなしたという。
 ハッカ御殿の隣りにちょっとした資料館があり、ハッカ液の強い匂いを嗅がせてもらった。

広々とした大広間が連なる邸内
IMG_2704_20180728182227beb.jpg

この植物が二ホンハッカ
IMG_2709_201807281822286d4.jpg

 仁頃から端野峠を越えると北見盆地に出る。常呂川沿いには水田も多い。北海道の稲作地帯は石狩・空知・上川だと思っていたので、意外な感じがした。
 国道39号に折れると、端野(旧端野町、現北見市)から北見の街まで約7キロにわたって道が一直線に延びる。端野の地名はアイヌ語の「ヌッケシ」(野の端)を和語にしたものだ。北見市の中心部は野付牛というが、こちらは同じアイヌ語の「ヌッケシ」に漢字を当てたものだ。地名の少ない北海道らしい。

端野峠の中腹から
IMG_2711.jpg

 きょうはまた北見市に泊まるが、時刻はまだ16時だ。ホテルに入ってしまうには早すぎるので、駅の裏手に位置する北見ハッカ記念公園を訪れた。
 この場所は昭和9年に竣工した北海道信用購買販売組合聯合会(ホクレンの前身)野付牛薄荷工場の跡地にあたり、当時の研究所が保存されている。研究所の建物は北見ハッカ記念館として利用されている。

北見ハッカ記念館
IMG_2719_201807281822341f0.jpg

 日本におけるハッカ栽培の歴史は浅く、幕府や大名の薬草園を除いては江戸時代後期に岡山県域で始まったとされる。そして、開拓時代の北海道にも移入された。
 現在の北見市をはじめとしたオホーツク海沿岸地域でハッカ栽培が盛んになったのは、地理的な要因が大きいようだ。明治期のこの地域は交通網の整備が遅れており、河川もオホーツク海に流入するため消費地の方向を向いていなかった。
 ハッカは農家において蒸溜を行うことで少量の取卸油にすることが可能で、輸送コストを抑えることができた。地理学っぽい言葉で云う原料指向型というやつだ。
 野付牛薄荷工場は取卸油からハッカ油とハッカ脳を生産した。それまでは農家が直接業者に販売する形態を取っていたが、北聯への集約によって価格が安定し、世界市場の7割を占めるに至ったという。しかし、戦時下に食糧増産のために減反され、戦後は国外産や合成ハッカに敗れて生産量は激減した。

ハッカ貯蔵棚
IMG_2717_20180728182231855.jpg

 隣接する薄荷蒸溜館は農村地帯のハッカ取卸小屋をイメージして建てられた。内部は歴代の蒸溜機などが展示されていた。

取卸油の収量を大幅に増加させた田中式薄荷蒸溜機
IMG_2718_201807281822335a0.jpg

 ホテルにチェックインしてもまだ17時。おとといよりもだいぶ鄙びた施設となった。北見市は宿泊先の選択肢が多く、前のホテルはすんなり予約できたのだが、この日は早くから満室が多く、料金も高かった。そのことがずっと気になっていたのだが、市内でスポーツイベントがあったらしい。
 旅装を解いてから夕食を摂りにクルマで出掛けた。その途中でピアソン記念館に寄って外観を眺めた。
 この建物はアメリカ人宣教師のピアソン夫妻の邸宅で、大正3年(1934)の建築。設計者は長らく不明であったが、20年ほど前にW.M.ヴォーリズの設計であることが判明した。

ピアソン記念館
IMG_2722_201807281822360f5.jpg

 本日の夕食は北見市で有名な回転寿司の「トリトン」にて。18時だというのに混雑していたが、おひとり様はすぐに案内してもらえた。

夕食は回転寿司にて
37784110_1648321651963206_1431527477523513344_n.jpg

 ホテルに戻る途中、おとといと同じところで給油を済ませた。平均燃費は23.8キロ/リットル(満タン法)と上々だ。
 第3日目の走行距離は223.4キロと、かなり短めで収まった。

次の記事 北見市→美幌峠→屈斜路湖→神の子池→釧路空港
関連記事
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://sagaminomen.blog.fc2.com/tb.php/781-0526a865

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

さがみぃ

Author:さがみぃ
相州生まれの相州育ちです。
このブログと筆者については,水先案内からご覧いただけます。

トップページ

【PC推奨】行先別INDEX

アクセスカウンター

(平成24年8月22日設置)

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる