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十分瀑布散策と渓谷をゆく平渓線乗車 (臺灣・はじめての国外旅行6)

旅行日:平成30年4月13~16日⑥

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 黄色い塗装のタクシーはトヨタ車(たぶんウィッシュ)の左ハンドルだった。
 結局、九份から瑞芳駅へのバスは来ず、タクシーで十分へ直行することになった。瑞芳の駅前を通ったのでそこで降りても良かったのだが、上客に喜んでいる様子の運転手の手前、言い出しにくい。このあと基隆まで乗っていくと言ったらもっと喜んだのだろうが、まりさんが「私たちは列車が好きだ」という意味の中国語で回避した模様だ。
 クルマは省道2号丁線から県道106号に入り、ヘアピンカーブが連続する峠道にかかった。鉄道ルートとも離れているし、対向車もほとんどない。地図を見ていなければ不安になっただろう。靄がかかって幻想的な風景だが、わざわざクルマを停めてもらうほどではなかった。

 山を下り、十分瀑布の近くで降ろしてもらう。タクシー代は600元(約2,220円)くらいだったと思う。だいぶ時間の短縮になった。
 石段を谷間に下っていくと、吊り橋が架かる。下は基隆河の本流で、平渓線の橋梁が並行する。

基隆河に平渓線と並行して架かる観瀑吊橋
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吊り橋の下の支流に懸かる眼鏡洞瀑布。滝の裏側はかなりへつれている
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 吊り橋を渡り切り、よく整備された散策路を進んで行くと、観瀑台に辿り着いた。
 滝は横から上から正面からと様々な角度から眺めることができる。ヤシのような樹木もさることながら、木々が密集した濃い緑が亜熱帯を感じさせる。ただ、暑くも寒くもなくて快適。

十分瀑布
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滝を正面から眺める。周りの緑が濃い
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しっとりと濡れて咲く花
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 散策路の途中の店では串焼きを売っており、匂いに誘われてソーセージを買った。甘辛いタレが塗られていて、香ばしかった。
 近くのクリの樹にはイガイガの実がついており、どうも春らしくない。

今度はソーセージを食す
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テーブルの下で丸まっていたイヌ
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 帰路は観瀑吊橋の先から基隆河沿いを進み、四広潭吊橋を渡った。「広潭」は広い淵という意味のようで、幅の広がった川が穏やかに流れていた。対岸には広い駐車場があり、路線バスも来ていた。
 ここから十分の街までの道のりは長かった。十分瀑布から街の先にある十分駅までとなれば、徒歩で優に30分は掛かるだろう。その点でも、往路のタクシー利用は正解だった。街に入ったところの屋台で薄いお好み焼きのようなものを食べる。

四広潭吊橋。川底には甌穴が多数
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十分の街が近づいた
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 緩やかな坂を下っていくと、少し離れていた平渓線の線路が現れた。
 線路沿いに柵はなく、観光客が入り込んでいる。十分は願い事を書いて飛ばす天灯(ランタン)を売る店が多く、線路から天灯が次々に上がっていく。天灯の内側では炎が燃え盛っているが、落下して火災になったりしないのだろうか。
 日本人観光客もいて、「通帳からお金がなくなりませんように」などと切実なことが記してあるのを眺める。国外に出たことでつい羽目を外し、本性を表したりすることになるので、私も気をつけねばならない。
 列車通過の10分前にサイレンが鳴り、軌道から出ねばならないと聞いていたのだが、サイレンが鳴るとすぐに列車が来た。この先に十分駅がある。

線路の両側に店が連なる十分
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山峡の十分駅
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 十分からは平渓線に乗る。瑞芳方面に戻ればよいのだが、一旦終点の菁桐まで行く。菁桐にこれといった用はなく、単なる乗りテツだ。平渓線は台北から日帰りできるローカル線で、最近では日本の鉄道会社ともタイアップしている。80元の一日乗車券もあるが、モトが取れないのでEASY CARDをタッチした。自動改札はなく、簡易Suicaタイプの機械が据えられていた。

 今度の菁桐ゆきは、先ほど街を抜けていった列車で、ローカル線にしては長い4両連結だった。愛知県豊川市に工場がある日本車輛製造製とのことで、前面のスタイルなどに何となく見覚えがある。編成中にロングシート車とリクライニングシート車があったので、もちろん後者に座った。

日本風の見た目に警戒色のディーゼルカー
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車内の様子 (のちほど撮影したもの)
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 平渓線は日中1時間おきのきれいなダイヤ。線内で唯一の交換可能駅である十分で行き違いが行われるため、上りは約6分、下りは約15分も停車する。
 駅員が上り列車の運転士から大きな輪っかを受け取り、こちらの列車の運転士に渡した。日本ではかなり珍しくなったタブレットかと思ったのだが、タブレット閉塞は平渓線の三貂嶺・十分間だけで、十分・菁桐間はスタフ閉塞とのこと。タブレットキャリアとスタフは似ている。

スタフを持って、腕木信号機の梃を操作する駅員さん
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ホーム上のネコと腕木信号機
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 11:42、菁桐に向けて出発。十分からの乗車もあり、結構乗っている。
 列車は基隆河を左手に見ながらゆっくり走る。車窓には山間の農村が続く。
 十分から3つ目の駅が路線名にもなっている平渓で、驚くほど多くの人が下車した。何かイベントでもあるのではないかと思ったほどだった。
 平渓を発車すると、十分を思わせる街並みが展開したので疑問は氷解した。ツウは十分よりも平渓なのかも知れない。
 そして、次が終点の菁桐。片面ホームの小さな駅だが、反対側には“降煤台”(ホッパー)が2基残っていた。駅舎は昭和6年に建てられたもので、現地案内板曰く「完全的日式」。

 平渓線は菁桐坑(炭鉱)の石炭を輸送するため、大正10年(1921)に開通した。当初は台陽鉱業の専用線であったが、昭和4年(1929)に台湾総督府に買収された。沿線の炭鉱は閉山になったが、十分の近くには新平渓煤礦博物館があり、トロッコに乗れたりするらしい。

ホッパーが残る菁桐駅
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叢に消えゆく線路終端。黒犬が見ている
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瓦葺きの菁桐駅の駅舎
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折り返し発車を待つ列車。ホッパーを再利用したカフェが見える
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 菁桐では15分後の列車でそのまま引き返す。
 私が写真を撮っているうちにまりんさんが台湾啤酒を買ってきた。早速、プシュッといく。
 台湾の捷運やバスでは車内・駅構内での飲食が禁じられており、過料の対象になる。一方、台鉄はおおらかで、私たちが食べ損ねた駅弁を初め、飲食が可能となっている。朝の区間快車では家族連れがハンバーガーを食べていた。

 今度は中間車先頭のリクライニングシートに座った。運転席が左側に寄っているので、この車輛が先頭だったら最上の展望席だった。フロントガラスが若干外側に傾いているので、普通の席よりも少し視野が広い。

本日の台湾啤酒解禁
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 十分を発車すると、先ほどの街を低速で通過した。まりんさん曰く十分瀑布も車窓に一瞬見えたとのこと。
 大華で2分ほど時間調整をし、基隆河を渡ってくる高規格な宜蘭線に合流して三貂嶺に到着。谷間の小駅で、中央線の定光寺あたりを思わせた。列車は宜蘭線に直通する。
 ところで、三貂嶺という駅名は台湾最東端の三貂角(角は岬の意)と関係があるのだろうか。三貂角はスペイン領有時代の「サンディエゴ」に漢字を当てたものなので、外来語由来駅名かもしれない。

車窓をよぎる十分
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複線電化の宜蘭線に入ったところ。対岸は旧線?
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 14:09、瑞芳着。列車はここからさらに深澳線に乗り入れ、4.7キロ先の東シナ海に面した八斗子まで行くが、大半の客が瑞芳で下車した。私たちは列車を2本乗り継いで基隆に向かう。
 まずは14:21発の樹林ゆき区間車で3つ目の八堵着14:34。12分の接続で七堵発基隆ゆき区間車に乗り換える。車輛はそれぞれ韓国製、台湾製で、乗り比べができた。

八堵から基隆は変わった前面デザインの電車 (写真は基隆発苗栗ゆき)
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背もたれが低いセミクロスシートの車内
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 基隆―八堵―台北―高雄は台鉄の最重要幹線たる縦貫線であるが、八堵以東は宜蘭線が本線格であり、基隆方面は支線のような扱いを受けている。基隆河に架かるアーチ橋を渡り、トンネルで低い分水嶺を越えると基隆の町外れの雰囲気。ゆっくりと地下線へと潜り14:54に基隆に着いた。

真新しい基隆地下駅に到着
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ホームの先には縦貫線の起点であることを示すモニュメント
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次の記事 雨上がりの港町・基隆を散策
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