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【積雪深3㎝】仙台から北上線経由横手へ (豪雪の東北地方を列車とバスでめぐる旅1)

旅行日:平成29年2月(20~)21・22日①

 2月の旅は雪国へ。
 そう簡単に決めたのだが、今年はたびたび寒波が襲来する上に、日々の積雪が多いらしい。

 仙台までの夜行バスは出発1ケ月前に押さえたが、横手市に決めたホテルはなかなか予約できなかった。というのも、乗車予定のJR各線がしばしば不通になるのだ。どこかで立ち往生することになるかもしれない。
 結局、「なんとかなるだろう」と意を決してホテルを予約したのが出発3日前。横手で朝を迎える日の天気予報には雪のマークはないものの、最低気温は週の中でひときわ低い氷点下10度と出ていた。

 旅立ちは横浜駅東口バスターミナルから。12月以来、これで3か月連続での利用となる。
 今回乗り込むのは23時発のJRバス東北「ドリーム横浜・仙台1号」、仙台駅東口ゆきだ。過去3度の乗車の際はガラガラに空いていたのだが、今回は窓側座席がほぼ埋まるほどの盛況ぶり。品川バスターミナルにも停まるが、足場が悪いせいか2、3人しか乗ってこなかった。
 バスはコンセントつきの新しい車のようであったが、リクライニングの角度が浅かった。頭の部分もほぼ平らなので、備え付けのブランケットを枕代わりに、上着を身体にかけて眠りにつく。何度か目を覚ましたが、長町駅到着の放送まで概して眠れた方だと思う。

 仙台は夜半に雪が降ったようで、夜明け前の街角は白くなっている。JRのホームページを開くと、東北地方の各線は平常運転という情報。まずは一安心だ。
 仙台駅東口には5:45の定刻よりも5分ほど早着した。さすがに外は寒いが、それでも氷点下3度なので、早朝の気温としては南関東内陸部と大差ない。
 
薄っすらと雪化粧した仙台駅前
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仙台駅東口は東西自由通路や商業施設ができて様変わりしていた
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 乗車列車までは1時間ほどあるが、ひとまず乗車券を購入しておく。「仙台市内→東京都区内」を東北線、北上線、奥羽線、東北線経由で10,150円也。
 そして、まだ人気の少ない街に出て朝食。意外にも開いている店が少なく、やっとイートインスペースのあるコンビニを見つけた。

凍てつく青葉通
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 駅に戻り、東北線下り6:44発の小牛田ゆきに乗りこむ。6両連結の割と長い編成だ。
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 街を抜けて田園地帯に出ると、陽が昇った。辺りは一面真っ白だ。線路の雪はそれほどでもないが、擦れ違う列車は雪を巻き上げている。疾走感があって非常にかっこいい。北から上ってくる貨物列車には雪が付着している。
 が、その雪も松島丘陵を過ぎて仙北平野に差し掛かる頃にはすっかり消えた。関東平野と同じような乾燥した冬枯れの風景が広がる。
 7:29に小牛田に着き、11分の接続で一ノ関ゆきに乗り換え。2両連結のワンマン運転だったが、乗客は少なかった。

小牛田駅は鉄道の要衝。信号機の建ち並ぶ中、石巻線の貨物列車が出てゆく
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 小牛田の先も積雪はほとんどないが、鳥の姿が目立つようになった。川や溜め池にはハクチョウの優美な姿があり、田んぼにはカモ大の鳥が群れている。おそらくマガンだろう。
 新田駅の先でかすめる伊豆沼はラムサール条約登録湿地で、マガンを始めとした渡り鳥の越冬地になっている。

車窓の伊豆沼
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 新田の次の石越までが宮城県で、次の油島からは岩手県となる。各駅で少しずつ客が乗るようになり、8:30に一ノ関着。
 乗り継ぎの盛岡ゆきは28分後という微妙な接続時間なので、改札を出てみた。駅前にはカスリーン台風とアイオン台風の際に発生した水害の水位標が建っている。一関(市名と駅名が異なる)は北上盆地の最下流にあたるため、洪水の常襲地帯であった。
 8時半の気温は氷点下0.6度ということであったが、日なたは暖かく感じた。

 次の盛岡ゆきも2両連結で、一ノ関発車の時点でかなりの座席が埋まった。水沢では立ち客も出たので、編成両数が少なすぎるように思う。途中の主要駅で客が入れ替わるとしても、水沢から盛岡まで1時間はかかる。
 車窓は再び雪景色に変わり、どんどん積雪深が増す。北上線乗り換えの北上には9:38着。

水沢附近では散村風景が広がる (陸中折居・水沢間)
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一ノ関よりもぐっと積雪量が増した北上駅前
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 次に乗る北上線への乗り継ぎには30分ほどあるため、ここでも少し街を歩く。地下道をくぐり抜けて新幹線側に出ると、駅の裏側なので住宅街が広がっている。雪を踏みながら路地を辿ると堤防が現れ、そこに上ると北上川が見えた。
 北上市中心部は黒沢尻といい、昭和29年に黒沢尻町と周辺の村と合併したのを機に北上市を名乗り、駅名も同年中に改称された。鉄道が開通する前の黒沢尻は北上川河港の街であった。

 北上川は勾配が緩いため、舟運に適していた。黒沢尻は北上川に主要な支流である和賀川が合流する地点にあたり、ここから下流は比較的大型の川舟が通航できた。
 古い街の名残なのか、住宅地の間には小さな神社が多い。

黒沢尻河港のあった北上川河畔
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戦前のゲルバートラス橋である珊瑚橋の対岸はサクラの名所展勝地
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 10:11発の北上線快速横手ゆきは、ディーゼルカーの2両連結であった。快速といえども通過駅は3つしかなく、しかもその中の2つは冬場は普通列車も通過するような小駅である。
 乗客は20人くらいで、ボックス席を確保することができた。先頭の景色を眺めるのも一興だが、保線掛が数人立ってしまった。

列車の先頭部は出発前から着雪
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 北上を発車するとしばらくは北上盆地内を直線的に走り、青空の下に雪原が広がる。しかし、前方の真昼山地には黒っぽい色の雲がまとわりついている。
 平地がほぼ尽き、横川目という駅に停まると雪が舞い出している。和賀川を渡る。北上線はこの川に沿って真昼山地に分け入ってゆく。

北上盆地を進む (江釣子・藤根間)
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和賀川を渡る。上流には石羽根ダム (横川目・石沢間)
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 車窓がすっかり山間のものに変わると、和賀仙人という曰くありげな名前の駅に停まる。ホームの雪が多い。
 この先は湯田ダム建設に伴って昭和37年に新線に切り替えられた区間である。ダムの高さ分の標高を稼ぐため、大きくカーブしながら急な坂を登っていく。積雪は深まり、舞う雪が激しさを増す。
 トンネルの間で垣間見える湯田ダムのダム湖は錦秋湖と名付けられ、紅葉の名所だというが、私が秋に乗った時には霧の中に沈んでいた。きょうは結氷しているのか、あるいは水位が低いのか判らないが、とにかく一面真っ白だ。

錦秋湖に流れ込む沢を渡る (和賀仙人・ゆだ錦秋湖間)
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 列車の後部に行ってみると、巻き上げる雪が窓にこびりついていて景色はよく見えない。ただ、線路の両側に雪の壁が築かれているのは判る。
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 ゆだ錦秋湖駅の先で、線路は錦秋湖の湖面に架かる長い橋梁を渡る。北上線のハイライトだ。

雪のダム湖を渡る(ゆだ錦秋湖・ほっとゆだ間)
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 この先で3度目の和賀川を渡り、ほっとゆだに着く。北上線は昭和41年に横黒線(手と沢尻)から改称されたが、実態は“和賀線”だ。
 ほっとゆだ駅は駅舎に温泉施設を併設していることで知られるが、いかんせん北上線の運転本数が少ないため、列車では訪問しにくい。主要駅だが、列車交換もなくすぐに出発した。
 下り線は自列車が降雪を掻いたため二条の線路が見えているが、前の列車から3時間半ほど経過した上り線は雪に埋もれている。

雪の壁を縫ってほっとゆだに進入
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ホームの雪が堆いほっとゆだを発車
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 和賀川はここから北進するので、北上線は支流に寄り添う。そして切り通しで分水嶺を超える。標高は300メートルに満たないので、峠の感じは薄い。明治の初めまでの街道は標高600メートル近い白木峠を越えていたという。

 秋田県に入った黒沢という駅でやっと対向列車と交換する。東北線直通の一ノ関ゆきで、4両も繋いでいた。もっとも、後ろ2両は回送扱いになっている。北上線のディーゼルカーは一ノ関から分岐する大船渡線と共有しているようで、その入れ替えのための車輛運用なのだろう。車体には「ドラゴンレール大船渡線」のステッカーが貼ってある。
 保線掛が下車したので、先頭に行ってみる。着雪がないので、視界は前方の方が格段に良い。
 舞う雪は弱まり、薄日さえ射してきた。

雪をまとった木立の中を快走
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 線路と絡み合うように流れる黒沢川が横手川に変わり、盆地に出るとすぐに横手の市街地だ。街を回り込むようにカーブし、奥羽線に合流。11:23横手着。上野駅や松本駅を思わせる「よこてー、よこてー」という郷愁ある放送に迎えられた。
 長いホームの両端は使われていないので、雪が高々と積まれている。必要のないところにはとにかく雪を積み上げておかないと、除雪してももう逃がす場所がないといった感じだ。

到るところに雪が積み上げられた横手駅
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次の記事 【積雪深166cm】内蔵のある古い街並み―羽後増田を歩く
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