Entries

快晴爽快蔵王連峰越え (2017晩夏の越後南東北ドライブ旅 7)

旅行日:平成29年8月29日~9月1日⑦

最初の記事 曇天空振り魚沼スカイライン
前の記事 眺海の森から出羽三山の羽黒山を経て秋保温泉へ
 越後・南東北ドライブ旅第四日目。最終日のきょうは宮城県の秋保温泉から始まる。
 眠い目のまま湯を浴びる。見事な快晴で,露天風呂は清々しかった。バイキング形式の朝食を摂り,9時過ぎにホテルを発つ。
 きょうは蔵王を越えて一旦山形県に戻り,置賜を南下して福島県に抜け,福島市あたりから東北道で一気に帰る予定になっている。
 まずは秋保大滝を往復したが,でーひらさんの反応は今一つであった。轟音を上げて流れ落ちる名瀑であるが,夏場の今は木が生い茂っており,新緑や紅葉の候とは違って橋の上からの見通しが利かなかった。

緑が隠した秋保大滝
IMG_7243_20170927231922437.jpg

 秋保まで戻り,県道160号で小さな峠を越えて釜房ダムへ。ダムカード目当てで立ち寄ったのだが,湖を挟んで蔵王の山並みが一望にできた。人工湖であるが,深い青色の水を湛えていて充分美しい。快晴ということもある。

ダム湖の釜房湖ごしの蔵王
IMG_7246.jpg

 仙台と山形を結ぶ国道286号に合するのが川崎町。ダム湖よりも2段くらい上の段丘上に市街地が広がる。
 国道457号を青根温泉まで走り,そこから峩々温泉目指して県道に折れると,途端に道が狭くなった。路面に木漏れ日が落ちているので,見通しが悪い。森を抜け,濁川の刻んだ深い谷の中腹をゆく。

青根温泉と峩々温泉の間にて。背後の山は南蔵王の後烏帽子岳?
IMG_7249_2017092723192281b.jpg

 峩々温泉はその名前から山奥の秘湯をイメージしていたが,意外にも近代的な施設であった。それを横目に白濁した濁川を渡ると,蔵王エコーラインまでスノーシェルター内を一気に登る。無機質なかまぼこ型の屋根が続くのは,ちょっとSFチックで楽しい。

 エコーラインは昭和37年に開通した山岳道路で,蔵王を越えて宮城県と山形県を結ぶ。当初は有料道路であったが,昭和60年に無料化されて県道12号の一部区間という位置づけになっている。最高地点は県境附近の刈田峠で,標高は約1,600メートルに達する。環境保護が叫ばれる現代ならば,到底造ることが許されない道である。
 標高が上がって景色が良くなってきたところで,すみかわスノーパークに入ってみる。名前の通りスキー場施設であるが,今年からレストランの通年営業を始めたとのこと。冬場は雪に埋もれるからか室内は暗かったが,リノベーションされていて,メニューにも凝っているようだった。屋上は展望スペースの「くもわくテラス」になっており,先ほど通ってきた釜房湖から仙台市街,さらには松島湾をも見はるかした。秋になったら雲海も見られるのかもしれない。

標高1,100メートルから大展望の「くもわくテラス」
IMG_7258_201709272319211a0.jpg

釜房湖から山を挟んで仙台のビル群,その向こうに松島湾が霞む
IMG_7253.jpg

阿武隈川の河口方面と太平洋
IMG_7255_20170928204050b12.jpg

 道はさらに九十九折を繰り返して標高を稼ぐ。植生が乏しくなってくる。
 標高1,350メートルを超える駒草平は赤茶けた岩が転がる平坦面が広がり,その縁は急な崖で濁川の深い谷に落ち込んでいる。いつかの噴火で熔岩流が流れて,平坦な地形を造ったのだろう。
 崖っぷちにはちょっとした展望台も整備されていて,蔵王を構成する山の一つである五色岳やそこから流れてくる川に懸かる滝が眺められた。植生に乏しい山肌は火山らしい猛々しさを見せつける。
 でーひらさんは「めっちゃインスタ映えする」などと言っている。彼はインスタグラムなどやっていないと思うが。

植生が密から疎へと変遷してゆく山肌
IMG_7260.jpg

赤茶けた岩場やハイマツ帯の向こうに遥か平野部を見下ろす
IMG_7265_2017092820405043d.jpg

二段になっている振子滝を望遠で
IMG_7266_2017092820404927d.jpg

不帰の滝と五色岳
IMG_7270.jpg

 蔵王はいくつかの火山からなる連峰で,最高峰は標高1,841メートルの熊野岳である。
 火山活動は北蔵王の瀧山で約100万年前,雁戸山で約40~30万年前,南蔵王の屏風山や不忘山で約35~25万年前に起こったのが古い。山中にロバの耳岩と呼ばれる特徴的な円錐形の小山が見えるが,この高まりは約100万年前の水中火山岩からなるという。
 現在も火山活動が続く熊野岳,五色岳,刈田岳などからなる狭義の蔵王(中央蔵王とも呼ばれる)は約30万年前以降の活動である。

 刈田岳の登山口のところでもクルマを停める。でーひらさんはいい加減先に進んでほしそうに呆れている。景色が良すぎるのだ。
 見晴らしの良い高台まで登る途中,下山してきた人が「今そこ(谷)にクマがいた」と言う。谷に目をやったが,姿は見えなかった。

ここまで上がってきた
IMG_7277_2017092909271089b.jpg

振子滝周辺の色合いが素晴らしい。中央上部の円錐形の高まりはロバの耳岩
IMG_7272.jpg

刈田岳(左)と五色岳(右)
IMG_7279_201709290927102ea.jpg

 刈田峠に達し,蔵王ハイラインへ。刈田岳に登るこの道は有料で,普通車520円。標高約1,720メートルまで行くことができる。長いスパンのジグザグを繰り返すのだが,宮城県側を向いた時は青空,山形県側を向いた時は曇り空が前方に広がる。
 山上には駐車場と大きなレストハウスがあった。気温は16度で陽射しこそあれど,半袖では寒いくらいだ。足元の悪い岩場を少し歩くと,御釜が現われる。御釜の水は酸性なので,独特の青緑色をしている。
 レストハウスで買った温かい飲み物を御釜を見下ろす場所で飲む。こういう時は言葉など要らないので,離れたところでそれぞれに自分の時間に身を置く。

蔵王の御釜と熊野岳
IMG_7289.jpg

駒草平や仙台,阿武隈川河口方面の眺望
IMG_7285_20170929092709c3a.jpg

山形県側から次々に雲が湧きあがってくる
IMG_7293_201709300412426a9.jpg

 蔵王の中央部では,約3万年前に山頂附近で直径2キロほどのカルデラを生じ,その内部の御釜火口が噴火した。この火口からの噴出物が火砕丘となり,その中に水が溜まっている。
 江戸時代以降は噴火の記録も多く残っているが,その多くは御釜火口や五色岳におけるものだ。明治27年から翌年にかけての活発な活動では御釜火口で水蒸気爆発が起こり,沼の水が沸き立ち,火山泥流が流れ下ったと記録されている。戦後は小康状態を保っていたが,平成27年に火山性微動が観測された。
 御釜から火砕丘を分けて濁川が流れ出す辺りは白っぽい土砂が堆積しているが,これは岩石や粘土が地下で熱水変質を受けたものである。

 陽が出てくれていて,本当に良かった。時折雲が太陽を隠すが,陽射しのある時はハイコントラストの景色が展開する。

御釜を間近に望む
IMG_7296_201709300412424be.jpg

馬の背と呼ばれる尾根。前方が刈田岳
IMG_7300_20170930041241b4d.jpg

 山形県の上山へと下る。山形県側は長いスパンの九十九折が続くので,走りやすい。エンジンブレーキを効かせて,慎重に走る。
 こちら側は曇っているのかと思いきや,少し標高を落としてしまえばすっかり青空となった。蔵王西側の山頂附近にだけ雲がまとわりついていたらしい。

猿倉スキー場の上部にて
IMG_7304.jpg

次の記事 赤湯ラーメン,南陽スカイパーク,旧高畠駅
関連記事
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://sagaminomen.blog.fc2.com/tb.php/634-a57785bb

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

さがみぃ

Author:さがみぃ
相州生まれの相州育ちです。
このブログと筆者については,水先案内からご覧いただけます。

トップページ

【PC推奨】行先別INDEX

アクセスカウンター

(平成24年8月22日設置)

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる