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七里長浜の内側―屏風山砂丘とベンセ湿原

旅行日:平成29年5月(30~)31日~6月2日⑦

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 岩木山の南麓を西へ走る。弘前藩の牧場があった常盤野を過ぎると,霧が立ち込めた。点在するぽこぽこした小山は岩木山の寄生火山であろう。「二ツ森」,「黒森」のように接尾語に「森」とつく山の名は東北地方独特のものだ。
 白神山地から続く低い峠を越え,中村川に沿って鰺ケ沢へと下る。

霧の岩木山麓
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 鰺ケ沢は弘前藩の米蔵があった地で,陸運と北前船の結節点の湊町であった。
 イカ焼きが名物らしいので,おやつ代わりに食べる。いくつか店があるようだったが,開いていたのは「きくや商店」だけであった。あの秋田犬,わさおのいる店である。この店だけバイパスに面しており,わさお人気と相俟って独り勝ち状態なのだろうか。

鰺ケ沢でイカ焼きを食す
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左のヤツと中央のヤツ,どっちがわさお?
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店の前にはネコも…
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 鰺ケ沢からは七里長浜に沿って北上する。浜に近いところに道はなく,海岸線から2キロほど隔たった所を屏風山広域農道が通っている。
 浜辺に道がないのは,津軽平野と日本海を隔てるように発達した屏風山砂丘という砂丘地帯のせいだ。

 砂丘の内陸側は非常に排水性が悪く,砂丘列の間に池と湿地帯が点在する。
 ここの砂丘列と池塘群は海岸線と直交方向に発達している。すなわち,南北に延びる海岸線に対し,内陸の砂丘列は東西に連なり,池も東西方向に細長い。通常なら海岸線に対して並行に砂丘が堆積するものだと思うのだが…。

つがる市木造丸山の名無し池
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ひたすら真っ直ぐ延びる広域農道
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 木造出来島の大堤という名の池には木製桟橋が延び,駐車場も整備されていた。池の名前からすると,堤を築いて農業用貯水池にしたということなのだろう。荒涼とした場所だが,水田や畑も点在している。湿地帯を整備して新田開発を進めた苦労が偲ばれる。現在はクロマツの砂防林が砂丘を覆っているが,かつては飛び砂で農地が埋まることも多かったという。
 晴れていれば,池の後ろに岩木山の雄姿が見られるという。

大堤。桟橋の先の方が水没している
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ピタリと止まったままの水面がフジの花を映している
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 湿原の表示を見て,海の方へと折れる。
 駐車場にクルマを停めてその先は歩いて進むと,ベンセ沼という沼沢地と海岸砂丘の間に湿原が広がっていた。背丈の低い草叢には黄色の鮮やかなニッコウキスゲや,たぶんノハナショウブだと思うが紫色のアヤメの仲間が群生して咲いていた。
 ニッコウキスゲは一つの花が一日しか咲かないというから,きょう咲いていない花も含めれば相当な数になるだろう。

湿性の植物に覆われたベンセ沼
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木々に覆われた砂丘に囲まれた湿原
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雨滴をつけたニッコウキスゲ
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遠くには湿原のヌシのような大きな樹
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 屏風山砂丘は北に行くほど沼地が少なくなり,農地としての開発も進んでいる。
 そして,北の端まで来ると十三湖が現われる。十三湖は七里長浜から続く砂洲による潟湖である。津軽を貫流する岩木川が流入するので,海上交通と内航河川の結節点となり,中世にはその砂洲上に安東氏の交易港として栄えた十三湊(とさみなと)があったところだ。
 安東氏が南部氏に敗れたことで都市・十三湊は灰燼に帰し,土砂の堆積で衰退した。江戸時代は鰺ケ沢にその地位を奪われ,岩木川を下ってきた藩米を小型船に載せ替え,鰺ケ沢湊へ送る「十三小廻し」のための中継港となった。現在も十三湖は流入河川の三角州の発達によって縮小し続けている。

 県道は十三湖大橋で海との接続口を渡るが,広漠とした湖でここぞという展望所に出合えなかったのが残念だ。東側の山の方に行けば良かったかもしれない。

天気の悪さもあって,対岸が霞む十三湖
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海との接続口に架かる十三湖大橋
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 十三湖の北で国道339号に合流すると,東から山が迫り,景観は一変する。

キジの飛び出し注意
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