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春の南信&東濃ドライブ(3) 阿寺渓谷―清流と白い岩が織りなすブルー

旅行日:平成29年4月25・26日③

最初の記事 春の南信&東濃ドライブ(1) 諏訪湖から萱野高原へ
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 岐阜県中津川市で朝を迎えた。雨の予報だが,ホテルの窓から見える路面は濡れてはいない。
 6:45の開始と同時に朝食を摂り,7時半にはホテルを発つ。

 きょう最初の目的地は長野県大桑村の阿寺渓谷だ。この場所は中央線の列車旅で大桑村を訪れた時に知り,かねがね行きたいと思っていた。川なので,雨が降れば増水したり濁ったりするだろうが,降り出す前なら大丈夫だろうと判断した。
 国道19号で昨日来た道を引き返し,南木曽町を過ぎて大桑村へ。細道を折れて阿寺橋で木曽川を渡ると,林道の入り口だ。どうせ往復になるのだから,奥まで一気に進み,戻りながら写真を撮ることにした。
 阿寺林道は支線を含めて全て行き止まりになっている。チラリと見える深みの青さに目をみはり,森林鉄道らしい廃橋を見つけて胸をときめかせたりした。

 阿寺橋から6.3キロ地点の阿寺渓谷キャンプ場が一般車の通行できる最奥部となる。人気はなく,池にヤマメか何かの川魚が群れていた。

ひっそりとしたキャンプ場にて
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 Uターンし,とりあえず道幅の拡がった箇所に停めてみる。雨が降り出した。
 阿寺川は巨石を堆積させながら瀬と瀞を作って流れ,瀞の部分には何とも言えない淡い青色の水を湛えている。村ではこの色を“阿寺ブルー”としてアピールしている。この色は水が清らかであるとともに,岩が白っぽいことによる。
 この辺りの地質はデイサイトや流紋岩などの二酸化珪素を多く含む火山岩らしい。

キャンプ場近くにて“阿寺ブルー”との最初の出合い
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降り出した雨に濡れるネコヤナギ
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 川を眺めるのは,やはり橋の上が一番だ。阿寺林道が阿寺川を渡るのは1ケ所だけであるが,支線の林道の入り口などを含めると,4ケ所はある。

野尻向林道分岐の橋の上から
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 牛ケ淵はウシの形に似ていることから名づけられたというが,渓谷内でも特に深くて青色が深い。阿寺渓谷には牛ケ淵の他にも,熊ケ淵,犬帰りの淵,狸ケ淵,狐ケ淵のように動物にちなんだ地名が多くつけられている。
 阿寺の山は御用林で,川沿いには集落がなく,猟師や樵しか入らなかったのだろう。

牛ケ淵。深い淵ほど青みを増す
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渓流沿いのカタクリの花
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 川沿いの柵をよく見ると,レールでできていた。
 阿寺渓谷には阿寺森林鉄道が延びていた。前身となる阿寺軽便鉄道は明治34年(1901)の開通で,国内の林鉄の嚆矢であった。林鉄は昭和41年(1966)に廃止になり,代わりに林道を整備した際に廃材のレールを再利用したのだろう。山側の石垣も林鉄時代のものと思われる。

レールを曲げて作った柵
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 キャンプ場から3キロほど下ると,かなり広い駐車スペースが現われた。この辺りが通行可能エリアのほぼ中間地点で,対岸に遊歩道が整備されている。雨降りなので歩きはしなかったが,二つの吊り橋の上に立つ価値はあるだろう。
 遊歩道側には「六段の滝」があるのだが,道路からは3段しか見られない。

吊り橋の上から。ヤマザクラが彩りを添える
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川の向かいに懸かる六段の滝
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瀞の部分のグラデーション
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 林道の本線が阿寺川を渡河する唯一の地点が犬帰りの淵。猟師の連れるイヌが渡れずに引き返したことに由来するという。
 確かに深い淵なのだが,あまりにも清流過ぎるので,写真に撮るとどうしても浅く見えてしまう。クルマに戻って望遠レンズに取り替えたり,水面の反射を抑えるPLフィルターを装着したりとなかなか慌ただしい。
 林道の橋に並行して林鉄の橋台が残っていた。

特に青の濃さが印象に残った犬帰りの淵
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深い川底の石まで透けて見える
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 さらに1キロほど下ると,対岸の山肌に「雨現の滝」が見える。
 名前の通り,雨の時にだけ現われるそうなので,見られて幸運だ。だが,降水量の割に流量が多いような気がする。

サクラの樹と雨現の滝
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 先ほど気になった林鉄の廃橋が現われた。
 ここから下流では林道は左岸を,林鉄の廃線は右岸をゆく。阿寺渓谷の最寄は中央線の野尻駅だが,林鉄は一つ下流の十二兼駅から出ていた。
 廃橋梁には手すりが設けられ,遊歩道として使われていた時期もあったようだが,現在は通行禁止になっている。残った枕木がだいぶ朽ちてきている。
 この辺りは河床に甌穴が多く,岩も滑らかに削られている。

森林鉄道の廃トラス橋
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朽ちかけた橋の上
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鮮やかなヤマツツジ
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 林鉄の廃橋から1.4キロで林道の入り口に戻る。阿寺川は小さな堰を越えて木曽川の本流に落ちる。
 この辺りの木曽川は読書ダムのバックウォーターで淀んでいる。が,阿寺川が流れ落ちた辺りはよく澄んでいた。

阿寺川の終わり
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橋の脇には満開のヤエザクラ
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