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桜島・霧島ドライブ(1) 錦江湾を大きく回り込んで桜島へ

平成29年3月6~9日⑨

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 南九州への旅,第四日目最終日。
 きょうは桜島を見てから,霧島を回って鹿児島空港でレンタカーを返却し,そのまま帰途に就く予定になっている。

 ようやくすっきり晴れそうな天気予報が出たので,早起きして6時半の開始時刻に朝食を摂る。おかげで7時半には走り出せた。

 鹿児島市街から桜島へはフェリーで約15分で渡ることができる。しかし,私は姶良カルデラの内側を丹念に辿って陸路桜島を目指すことにした。
 国分までは国道10号をゆく。途中の重富まではひたすら錦江湾沿いをゆくので,海と桜島の眺めが良い。しかし,ペースが速く,停まって景色を眺められるような場所はなかった。加治木から国分にかけてやや混雑。

 国分で国道220号に折れると,途端に交通量が減った。早速,桜島が望める場所にクルマを停めた。

山頂附近に雲のかかった桜島
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 鹿児島から重富にかけてもそうだったが,国分から南も「右に錦江湾,左は高い崖」という風景が続く。この崖こそが姶良カルデラの外輪山の内側のフチにあたる。

 約2.9万年前に現在の錦江湾附近で巨大噴火が起きた。多量のマグマによって軽石や火山灰などの多くの噴出物を生じ,鹿児島県域を約60メートルの厚みで覆い尽くした。マグマを失った火山は陥没し,姶良カルデラとなった。
 また,噴出物によって発生した火砕流は,山も谷も埋め尽くして平らな地形を形成した。これが鹿児島県本土域に広がるシラス台地である。火砕流の中でも特に規模が大きかったのが入戸火砕流で,この時の火山灰は東北地方以南の日本全国に堆積したため,重要な鍵層となっている。

垂水市二川附近から望む桜島
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二川港には古そうな石積みの突堤が
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 国分から垂水にかけては国鉄大隅線の廃線跡がずっと並行している。大隅線は戦前に古江(鹿屋市)と志布志の間が開通し,戦後に国分まで延伸された。最後の開通区間は海潟温泉(垂水市)・国分間で,昭和47年にやっと全通した。しかし,不採算で昭和62年に廃止になってしまったた。
 国道を走っていると,時折コンクリート造りの高架橋が目立つ。開通から廃止まで僅か14年半しか使われなかったものだ。

国鉄大隅線の廃橋
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 休憩がてら道の駅たるみずに寄る。ここまで来ると桜島が間近だ。しかも,雲は大方霽れてきた。
 山頂附近が白っぽくなっているのは火山噴出物だろうか,それとも雪だろうか。

道の駅たるみずから
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施設内には長~い足湯が
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 道の駅を出てほどなくすると,瀬戸海峡に差し掛かる。
 ここはもともと,大隅半島と桜島を隔てる海峡であったが,大正3年(1914)の噴火によって流れ出た熔岩流によって埋め立てられ,陸続きになった。海峡の幅は300~400メートル,深さは7,80メートルだったというから,熔岩の多さを窺わせる。
 近年まで国道は大隅半島側を通っていたが,牛根大橋が架けられ,一旦桜島を経由するルートに変わった。

入り江になった瀬戸海峡に架かる牛根大橋
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自然災害との戦いの痕跡が生々しい旧国道
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大隅半島(左)と桜島(右)の間を砂防工事のダンプカーがゆく
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 ここから桜島に入っていく。
 桜島の外周には南回りの国道224号と,北回りの県道26号が通っている。桜島港へは距離の短い国道の方がメインルートになっている。
 何となく県道から入って国道から出てくることに決め,県道に入った。クルマの通りは少ない。植生はマツが多く,軽井沢辺りを走っているような感じがする。

東側から望む桜島火山
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 最初の集落・黒神には有名な埋没鳥居がある。子供の頃にテレビだか本だかで見て,衝撃を受けたことを憶えている。
 この鳥居は腹五社神社のもので,高さ3メートルあった。大正噴火の時に黒神集落では一日で火山灰が2メートルも積り,3分の2ほどが埋まってしまった。昔日の私のように,一瞬で火山災害を実感できる遺物として保全されているという。

 桜島の大正噴火は大正3年1月に起こり,当時の東桜島村で677軒,西桜島村で1,467軒の家屋が焼失し,死者不明者23名を出した。

 現在は中学校の敷地になっていて,校舎と体育館の間の道を進んだ先に小さな本殿があった。

腹五社神社の埋没鳥居
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真っ黒な火山灰の上に建つ腹五社神社
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 黒神の先で橋を渡る。が,下を通る川に水は流れていない。
 桜島の河川はほとんどが水無川である。火山灰質の土壌のためか流路延長が短いためか,あるいはその両方だからなのか,普段は水が流れない。その代わり,強い雨が降るとしばしば土石流を引き起こす。

 この辺りの熔岩は昭和噴火によるものである。
 桜島の昭和噴火は昭和21年(1946)に発生し,熔岩流が東側へ流れ下った。この時は黒神・有村集落が埋没した。

水無川の橋の上から
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昭和熔岩は形成から70年ほどしか経っていないため,ようやく生えてきたマツもまだ小さい
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 島の東側から北側へと回り込むと,集落が次々に現われるようになる。この辺りは近世以降熔岩流を受けていず,鹿児島への港にも近いため,桜島の中では比較的住みやすい地域なのだろう。
 火山性の土壌でも生育し,特産品になっている桜島大根の畑や小ミカンの果樹園もこのエリアに集中している。

錦江湾を隔てて姶良カルデラの外輪山を望む
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 家並みが続くようになってくると,大きな駐車場が現われ,次いで停泊するフェリーが見えてきた。桜島(袴腰)港だ。
 時刻は10時。フェリーなら15分のところ,寄り道しながら2時間半を要したことになる。
 港には大手のコンビニが二軒あるが,どちらも景観に配慮した茶色の看板なので見分けがつきづらかった。

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