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青春18きっぷでミニトリップ―早春の東総へ(後) 銚子電鉄と犬吠埼,隅田川夜景

旅行日:平成29年3月17日②

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 東金線と総武線で途中下車をしながら,銚子駅までやって来た。到着時刻は13:17。

駅舎改修工事中の銚子駅
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 予定にはなかったのだが,折角ここまで来たので銚子電鉄に乗ってみることにする。
 こんどの発車は14時ちょうどとなっていて,まだ40分ほどある。駅前通りを歩き,利根川沿いの公園まで往復した。
 銚子は利根川の河口に位置する。江戸時代初期までは鬼怒川の河口であったが,江戸湾(東京湾)に注いでいた利根川(下流部は現在の中川に相当)と渡良瀬川(同じく江戸川に相当)が瀬替えによって接続されたため,海運と河川交通の結節点として繁栄した。奥州諸藩の廻米は銚子から利根川を上り,関宿(野田市)から江戸川を下って河口附近に到り,行徳川(新川・小名木川)を経て江戸市内に送られた。

河口附近で川幅の広い利根川
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長大な銚子大橋が架かる
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 銚子電鉄の乗り場はJRのホームの先端にある。勝手がよく分からないので,18きっぷで改札を通り,銚子電鉄の切符は車内で買うことにした。
 ゆっくりと入線してきた電車は2両連結で,薄赤紫色と黄土色のツートンカラー。京王線から伊予鉄道を経てやってきた中古車の中古車である。製造は昭和30年代だそうで,戦後に流行したフロントガラス2枚の湘南電車のスタイルをとっている。冷房も設置され,車内は古さを感じなかった。

銚子電鉄の電車
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 私が銚子電鉄に乗るのは二度目である。前回は平成23年の3月8日であった。その三日後に東日本地震があり,混迷の中で旅行記を書くタイミングを逸してしまった。銚子など千葉県沿岸部も液状化現象や津波の被害を受けた。

 回ってきた車掌から往復割引乗車券を購入する。銚子から犬吠・外川までの往復運賃が680円のところ,割り引かれて600円で済む。乗客は観光客ばかりだが,平日だというのに10組くらい乗っている。電車自体が観光名所になっているのだろう。

車内で往復割引乗車券を購入した
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 銚子駅を発車した電車は,収束するJRの線路に合流する。かつてはこの先に新生という国鉄の貨物駅があり,銚子電鉄は間借りする形で乗り入れたのだが,今はどういう区分になっているのだろう。
 すぐに仲ノ町に停車。醤油工場に隣接した駅で,手狭そうな車庫が併設されている。

 電車は大して速度を出さず,こまめに設けられた駅に停車していく。切通しを抜け,高台から海を望み,キャベツ畑の中を走る。6キロちょっとのミニ私鉄ながら,沿線風景は変化に富んでいる。
 私は終点の外川まで行かずに,一つ手前の犬吠で下車した。犬吠埼の最寄駅である。

駅前がやけに広い犬吠駅
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 犬吠駅から10分も歩けば,太平洋に突き出した犬吠埼に行きつく。ここも平日だというのに駐車場が随分埋まっている。
 灯台の建つ高台からは左に君ケ浜を,右に酉明浦を望む。見下ろす太平洋はきょうも荒れてる。

 なお,岬の接尾語は国土地理院(地形図)が「○○崎」を,海上保安庁(海図)が「○○埼」を用い,一般には「崎」の方が知られているが,犬吠埼はいずれも「埼」を用いている。

白亜の犬吠埼灯台
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岬の北側は君ケ浜
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突き立つ白い岩に波が打ち付ける
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 岬から海辺に下る。かつては岬の下を取り巻くような遊歩道があったようだが,浸食されて崩壊が進み,立ち入り禁止になっていた。

 太平洋に突き出した犬吠埼は白亜紀前期(約1億4500万~1億50万年前)の地層からなる。この地層は銚子層群と呼ばれ,よく固結していて硬い。そのため,浸食され残っている。
 銚子層群は浅い海で堆積した地層であるため,貝などの化石がみられるというが,なかなか近づける場所がなかった。

白亜紀層
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傾斜した泥岩と砂岩の互層に波濤が打ち付ける
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犬吠埼遠望
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 酉明浦沿いの散策路を歩き,県道に上がり,細道を縫って外川駅を目指した。
 踏切の手前に狭いながらもキャベツ畑があり,これを前景に外川駅に入ってくる銚子電鉄の電車を写した。さっき犬吠まで乗ったヤツが銚子まで往復してきたようだ。

銚子らしいキャベツ畑の風景をゆく電車
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古びた外川駅の木造駅舎
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 外川15:26発,銚子15:45着。
 銚子では15:53発の総武線経由千葉ゆきが接続するが,16:06発の成田線成田ゆきに乗った。往路とはルートを変えたかったし,小見川で途中下車したい気持ちがあったのだ。しかし,走り出す頃には雲が出てきて,急に暗くなってきた。下車は止めてそのまま進むことにした。

 列車は佐原で9分停車し,鹿島線からの接続待ち。乗客は多くなく,成田までボックス席を独り占めできた。
 成田にはほぼ暗くなった17:29に着いたが,接続は悪く,成田空港から来る列車を18分も待たされる。昼間の暖かさが嘘のような寒いホームに乗客の列が延びる。やっと来た列車は6両しか繋いでおらず,座席は大きな荷物を持った人たちで既に塞がっていた。この後も乗客は増える一方で,特急の通過待ちをした四街道から千葉にかけての混雑が特にひどかった。

 あとは千葉から横須賀線直通列車で帰ればよいところだが,私は錦糸町で各停電車に乗り換えて両国で下車した。改札の上に横綱の巨大なパネルが飾られているのがこの駅らしい。

個性が光る両国駅の改札口
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 ここで降りた目的は二つあって,一つ目は新しくなった駅舎である。
 両国駅は明治37年(1904)に総武鉄道の始発駅・両国橋駅として開設された。明治27年に開業した総武鉄道は本所(錦糸町)駅をターミナルとしたが,両国橋(駅)まで延伸したことで橋の対岸から出る市内電車との乗り換えの便が図られた。
 また,両国橋駅開業の日には吾妻橋駅(現在のとうきょうスカイツリー駅)から出ていた東武鉄道が曳舟から亀戸まで延伸し,総武鉄道への直通運転を開始した。つまり,当時は銚子,佐原・我孫子(成田鉄道),大原・東金(房総鉄道),川俣(東武鉄道,利根川の手前)へのターミナル駅であったわけだ。
 開業当初の駅舎は大正関東地震で焼失し,現在のものは昭和4年に竣工した。しかし,昭和7年には総武線が御茶ノ水に延伸され,昭和47年には快速線の東京乗り入れが行われたため,両国駅のターミナルとしての地位は低下した。
 持て余した駅舎は居酒屋として利用されていたが,この度改修され,「江戸NOREN」という食をメインとした商業施設になった。

改装なった両国駅駅舎
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吹き抜けの中央部には土俵が…
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 もう一つの目当ては総武線隅田川橋梁の夜景である。隅田川橋梁は昭和7年の御茶ノ水延伸に際して架けられたもので,3径間の中央部にはアーチ橋の一種であるランガー橋が日本で初めて採用された。土木学会ホームページによると全長は192メートルで,両側が各38メートル,中央部が96メートルの左右対称となっており,非常にすっきりとしたデザインとなっている。
 橋は両岸の袂まで行くことができるし,並行する両国橋の上では真横から眺められる。

両国橋より総武線隅田川橋梁
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 両国橋上からだと横長になってしまうので,右岸に移動した。右岸下流側からだと,背景に東京スカイツリーを配することができる。
 鉄道橋なのでライトアップなどはされず,思いの外暗かった。手持ちだと手ブレが恐く,シャッター速度は5分の1程度までしか落とせない。水面も随分波立っているし,持ってくるのは大変だろうけど三脚が欲しい。

橋梁のすぐ下流側から
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スカイツリーがど真ん中に突き刺さるアングルで
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橋梁のすぐ上流側の堤防上から
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スカイツリーと屋形船
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 ひとしきり撮影し,隣りの浅草橋駅に出た。この駅もホームの柱などが昭和モダンな感じがして好きなのだが,改札口がホームの両端にあるので写真が撮りづらい。
 次の秋葉原で京浜東北線に乗り換え,横浜に向かった。
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