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笠ケ岳や北アルプスを望む一之宮盆地と水無神社 (新緑の信濃・飛彈ドライブ旅・4)

旅行日:令和5年5月9~11日④

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 信濃・飛驒の旅、第二日目。下呂温泉の朝は晴れ渡った。昼間は暑くなりそうだ。
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 8時過ぎに出発して給油を済ませ、まずは北を目指す。下呂市周辺はまだ巡ったことがない。

飛彈川を渡る
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 飛彈川右岸の県道88号を北上し、旧萩原町で山之口川の谷に分け入る。山之口からは支流のカジヤ谷だ。集落が尽きると道は一気に狭くなった。

カジヤ谷の新緑
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対岸の石垣積みの集落
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位山峠に挑む険路
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 標高約1,080メートルの位山峠を越えると、少し下ったところに久々野防災ダムがある。堤体から北アルプスを望む眺望の良い場所であった。標高が高いので、風が冷たい。ここから高山市となる。
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左に笠ケ岳、中央に槍ケ岳、右に穂高連峰が見える
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 さらに苅安峠を越える。雪のないゲレンデの下の地味な谷中分水界だが、中央分水嶺の峠だ。
 スラローム状の長い下り坂で一之宮盆地に下る。坂の下の集落に大きなお寺があったので、クルマを停めてみた。
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 この寺は往還寺といい、室町時代中期創建と伝わる。
 山門は寛文10年(1670)に水無神社の仁王門として建立された。安永2年(1773)に水無神社を拠点に大規模な百姓一揆(安永騒動)が起きると、同神社の神仏分離が行われたため、門は当寺に移築された。
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大きな本堂と鯉のぼり
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 そばの集落では冠雪した笠ケ岳の上の空を鯉のぼりが泳ぐ。黄色いのはこの地域の特色だろうか。
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 盆地を流れ下るのは宮川だ。高山の街を経て神通川に通じ、富山湾に注ぐ。笠ケ岳には田植えの季節の到来を報らせる白馬の雪形が出ている。
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 一之宮盆地は整然と区画された水田地帯で、北アルプスの他に乗鞍岳を望む。写真を撮ろうとクルマを停めると、遠くから踏切の鳴る音が聴こえてきて、遠くの山際をJR高山線の特急「ひだ」が下りてきた。宮峠を越えたところで、Ω型にカーブする線形で高度を落としてくる。山岳路線らしいダイナミックな風景だ。
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 一之宮の地名は飛驒国の一ノ宮である水無神社に由来する。この社は盆地が収束する地点の山裾に鎮座している。水害が避けられて、かつ交通の要衝が選ばれたのだろう。
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 水無神社は水無神とも呼ばれる御歳大神を祀る。中央分水嶺に近い場所に位置することから、水無は「水をなす」という意味だろう。創建は詳らかではないが、平安時代前期の文書には登場する。
 鎌倉時代には仏教色が濃くなったが、先述の安永騒動を機に唯一神道となった。
 社殿は廻廊に囲まれており、その内側に伸びたイチョウの葉の新緑が逆光に輝いている。
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本殿
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 一之宮からは南下して下呂方面に向かう。国道41号の宮峠には昨日通った真新しいトンネルがあるが、旧道をチョイス。ダイナミックなカーブを連ねて峠越えに挑む過酷なルートで、幹線道路らしく登坂車線の跡も残っている。そんな道なのにほとんど往来がないのが楽しい。一之宮の街を見下ろす地点もあった。
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 峠を越えて国道に合流し、久々野から飛驒川に沿う。新緑の峡谷の間に小盆地や僅かな河岸段丘が現れ、そういうところに集落が営まれている。
 道の駅「飛騨街道なぎさ」にクルマを停めるとすぐに下りの特急「ひだ」が通過し、すぐに上りの普通列車がやって来た。久々野駅で交換したようだ。高山線の普通列車は本数が非常に少ないからラッキーだ。新緑と雪融け水で増水した飛彈川の取り合わせも佳い。
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次の記事 御嶽山麓の巖立・三ツ滝と禅昌寺
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