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善光寺平と北信の山々を望む三峰山と姨捨駅 (新緑の信濃・飛彈ドライブ旅・3)

旅行日:令和5年5月9~11日③

最初の記事 上田平と北アルプスを望む稲倉の棚田
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 信濃・飛彈の旅、第一日目。長野県道12号で修那羅峠を越え、青木村から筑北村に入った。坂井地区を抜け、JRの踏切を渡って長野道の高架をくぐると麻績村に入る。

 麻績村の中心地は「麻」だ。「お」と読む一字一音で、ローマ字でも「O」だ。そう書くと「村とX村(X村)が合併したため」と続くのがこのブログの常套句になりつつあるが、「麻績」の地名は鎌倉時代には見える古いものだ。古い街並みが残っていたが、クルマを停められなかった。

 少し引き返し、山裾の神明宮に参詣。水を張った田んぼが社殿を映している。
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 麻績の神明宮は平安時代の末期に伊勢神宮を勧請して創建された。この時代に麻績郷が伊勢神宮領となったことと深く関わっている。なお、麻績郷は筑摩郡(明治以降は東筑摩郡)だが、『倭名類聚抄』では更級郡の項に記されている。
 拝殿は天保10年(1839)の建立で、本殿とともに重要文化財指定を受けている。裏手の本殿は神明造で、棟札から貞享元年(1684)の建立と判明している。
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 境内の舞台、神楽殿も重文指定を受けている。
 舞台は天明3年(1783)の建立で、農村舞台としては初期のものにあたるという。天明と云えば数年にわたって飢饉が続いた時代だが、そんな時期にこれほどのものを築いたとは。
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元禄11年(1698)建立の神楽殿
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 国道403号で山にかかり、標高900メートル超えると平坦になって湖が現れた。農業用貯水池の聖湖だ。
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 湖の東には三峰山が聳え、北面がスキー場となっている。標高1,131メートルの頂上に展望台があり、20分ほどで登れると書いてあったので、行ってみることにした。ちょっとした登山だ。
 展望台らしい建物には入れなかったが、木々が生い茂った南側以外の眺望は見事であった。
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善光寺平を見はるかす
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唐松岳(左)と白馬三山(中央、白馬鑓ケ岳・杓子岳・白馬岳)
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妙高山と黒姫山
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花木ごしに望む四阿山
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 聖湖は峠の手前に位置しているが、南側に用水を供給している。湖畔の猿ケ馬場峠からは急な下り坂となった。そのまま姨捨SICで長野道に入る積もりだったが、案内板に誘われるように姨捨駅に寄り道。
 クルマを停めて駅舎に入ると、普通列車が到着した。長野ゆきの下り列車だ。対向の特急列車を待つという。
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 姨捨駅はスイッチバック式となっており、本線から引き出された線路上にホームがある。そのホームからの眺望が良い。先ほどの三峰山には負けるが、駅から見える景色としては抜群に良い。
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線路終端をまじまじと見るのは初めて
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 しばらくすると踏切の鳴る音が聴こえ、ホーム下の線路を名古屋ゆきの特急「しなの18号」が駆け登ってきた。
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 姨捨山は「田毎の月」で知られる棚田が広がる地だが、駅からは少し離れている。まだ水を張っている途中に見えた。すべてに水が入って、かつ田植え前という絶妙な時季を図るのは難しそうだ。
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 そして長野ゆきが発車。車掌が前方を確認しながら、尾灯を点した列車が走り出すのが面白い。一旦引上線に入るとすぐに下っていった。

 時刻は15時半になるところ。今夜は下呂温泉の宿を予約し、夕食もつけてしまったので、19時には着かねばならない。
 姨捨SICから長野道を南下し、松本ICで流出。最速ルートは中津川IC(飯田山本ICで入り直せばそこまでは「信州めぐりフリーパス」が利用可)から国道256・257号だろうが、明日のルートと重なるので、安房峠を越える。

 松本ICから波田辺りまでは流れが悪かったが、梓川の谷に入るとスムーズ。梓川はやや増水し、迫力のある流れとなっていた。
 安房峠道路の長いトンネルで岐阜県に入り、さらに新平湯トンネルを抜け、高山まで長い下り坂。市街は避けて丹生川町の町方から南下し、国道41号に出て宮峠をトンネルでくぐり抜け、飛驒川沿いを下り、18:50に宿に着いた。

 初日の走行距離は459.1キロであった。

次の記事 笠ケ岳や北アルプスを望む一之宮盆地と水無神社
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