旅行日:令和2年6月22~26日⑤
最初の記事 札幌・中島公園と豊平館前の記事 道北サロベツドライブ(後) サロベツ原生花園から夕暮れの利尻水道へ 夏の北海道旅行2020、第三日目。きょうは礼文島に渡る。
6時半発のフェリーに乗るので、5:45に稚内の旅館のおじさんの運転するクルマで出発。おじさん曰く例年この季節は1時間前に並ばないと乗船できない程混むという。今年は空いているということで、遅めの出発となったようだ。同乗の母娘は私と同じ神奈川県の方で、A市から来た方だった。
ピカピカの稚内フェリーターミナル
稚内港と利尻島・礼文島を結ぶ航路(利礼航路)はハートランドフェリーが就航している。かつては東日本海フェリーというパッとしない会社名であったが、平成10年に現社名に変わった。
運航ダイヤは時期によって異なるが、稚内から利尻島鴛泊便が日に3往復、礼文島香深便が2往復(ほかに鴛泊経由1往復)設定されている。礼文島の香深港までは2等自由席で2,850円也。
今朝の香深便の船体は「アマポーラ宗谷」。ハートランドフェリーは船舶の名前も洒落ていて、「アマポーラ」は利尻島の固有種であるリシリヒナゲシから、ヒナゲシのスペイン語とのこと。今年の2月に就航したばかりの新造船だ。
出航15分前の6:15頃に改札が始まり、ぞろぞろと乗船。2等自由席は主にカーペットで、早速ごろりと寝ころんだ人が多い。私は船尾のデッキに並んだプラスチック椅子に陣取った。今朝の稚内の最低気温は10.4度なので相当に寒い。
出航時刻を迎え、低く雲の垂れこめた稚内港を離れる。香深までは約2時間の船旅だ。
稚内港は野寒布岬につづく小半島の東側に位置するが、利尻島・礼文島があるのは西側だ。フェリーは野寒布岬の沖を回って利尻水道に出る。
利尻島が現れた!
薄日が射して海面が「鉛色に輝く」
稚内港を出港して40分も経つと、前方に島影が見えてきた。礼文島のはずだが、利尻島に較べると特徴に乏しい。低い山並みが連なり、その上に雲が厚く覆いかぶさっている。
無賃乗船はダメですよ
外は寒いし、しばし船内を散策。とはいえ1階の車輛甲板や4階の指定席区画には入れないので、3階部分を見て回るだけ。
船尾側は前述したカーペット敷きの2等自由席で、客は一区画に2、3人程度。大方は眠っている。観光客は少なく、ビジネスで渡航する人が多いことを窺わせる。さすがに写真は撮れないので、下船時に撮影した。
3階の中央部にはキレイなトイレがあり、キッズルームやペットルーム、添乗員室も確保されている。船首側には売店があるものの、店員さんは手持ち無沙汰そう。私も昨日のうちにセイコーマートで朝食を仕入れてきてしまった。
階段の反対側は2等優先席で、自由席ではこの区画だけが座席になっている。
船内を見ているうちに利尻島の北の海域に差し掛かっており、しかも利尻富士の雲が霽れつつある。雪渓を残し、雲を纏った姿は神々しい。安易ながらカムイ・ヌプリという言葉がよぎった。
礼文島には申し訳ないけれど、島としての見映えは利尻島の方がずっとする。皮肉だが、利尻富士を眺めるなら利尻航路よりも礼文航路だ。
船が進むにつれて利尻富士の形が変わる。そして、雲の濃淡も変化してゆく。
山頂部の嶮しさが際立った角度
利尻富士に気を取られているうちに礼文島が近づいてきていた。低いながらも山がちな地形で、それが北に続いている。この島は東西方向が短く、南北に長いのだが、想像していたよりも規模が大きい。
船首の向く先が香深の街だ。礼文島最大の街であるので、いくつか高い建物も見えるが、規模としては大きくない。背後の山はササに覆われているようで、樹木がはまばらにしか見られない。
船脚を落としたフェリーは防波堤を過ぎると向きを変え、船尾を前にして接岸。カーペットに横になっていた人たちはボーディングブリッジが接続される前に下船口に列をなしていた。
除菌スプレーを構えた人たちに迎えられ、フェリーターミナルに降り立つ。稚内港ほどではないが、近代的な建物だ。
香深のフェリーターミナル
香深港着8:25。明日、利尻島に向かうフェリーが出航するのは13:25なので、礼文島での持ち時間は1日と5時間だ。
次の記事 礼文島への旅(2) 澄海岬・スコトン岬へ
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