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【願掛け】みなみ信濃ドライブ(前) 高ボッチ山~杖突峠~高遠

旅行日:平成30年6月12日①
 今回はでーひらさんと久しぶりのドライブ企画。
 彼は「今年中に彼女ができたら、君を東京から大宮まで新幹線のグランクラスに乗せてあげるよ」と言い出すくらいの絶望状態にあり、パワースポットととして有名になった長野県の分杭峠に行きたいと言ったのが、今回の企画の始まりだ。
 分杭峠に恋愛成就のようなご利益があるのかは私には分からないが、諏訪市から大鹿村にかけてのエリアはまだ足を踏み入れたことがない。双方の目的に隔たりがなくもないが、呉越同舟、休みを合わせて行くことにしたのだった。


 5時半に出発し、本厚木駅前ででーひらさんをピックアップ。昨夜は仕事終わりに小田急ロマンスカーに乗り、カプセルホテルに泊まったそうだ。以前ならば相模原市内のアパートに迎えに行けば良かったのだが、転職を機に都内東部の実家に戻っている。
 厚木南ICから1月に開通したばかりの新東名に入り、海老名南JCTから圏央道を北上。今回はネクスコ東日本・中日本の「2018信州めぐりフリーパス」(普通車二日間用8,500円)を使うため、高速料金は気にしなくていい。
 きのうは雨が降っていたため、山間は湿っぽい景色だ。
 中央道に移り、談合坂SAで朝食。郡内は霧が濃く、肌寒い。

伝説のすた丼屋の朝メニュー
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 笹子トンネルを抜けると突然の青空。その変化に驚くが、雲が多くて山々は見えない。境川PAでのコーヒーを買うために降りると、談合坂とは打って変わって蒸し暑かった。
 分杭峠へのアクセスが良いのは諏訪ICか伊那ICだが、その前に行きたいところがある。長野道に入ってみどり湖PAでトイレ休憩のち、塩尻北ICで流出。でーひらさんが「崖っぷち温泉」と言う崖の湯温泉を経て、高ボッチ高原へ登る。以前に下ったことのあるルートだったが、こんなに狭かっただろうか。

 稜線に出て、広い駐車場のある展望台へ。北アルプスはまったく見えないが、雲が低いため空がうんと近くに感じられた。

参考記事 新緑信濃路ドライブ(2) 雲上,高ボッチ山 (平成28年5月12日の訪問)

低い雲が立ち込めた松本平を見下ろす
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尾根の東側は黒い雲。植生に乏しく風傾樹が点在
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 叢の中に続く道を辿り、標高1,665メートルの高ボッチ山山頂へ。
 ここは何とかというアニメ△の聖地になったらしく、聖地巡礼をしたいでーひらさんと再訪したかった私の利害が一致した恰好だ。

 山頂に立つと眼下に諏訪湖が展開し、諏訪盆地と伊那谷を一望にする。いたく感動したでーひらさんは「連れて来てくれてありがとう」と言ったが、正直なところそんな素直な感想を伝えられると気持ち悪いなと思ってしまった。
 なんでも、そのアニメでは「霧で何も見えない」というオチだったらしく、こんなに好展望地であることを彼は知らなかった。なんだそれ…;
 てっきり、景色が素晴らしそうだから来たかったのだと考えていた。

高ボッチ山山頂付近から諏訪湖を俯瞰
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レンゲツツジを前景に
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雲間からスポットライトのような陽が射した
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 初めは薄陽が射していたが、東側から雲が流れてきた。霧が道を横切り、にわかに雨が降り出す。
 天気が良ければ鉢伏山にも行ってみたかったが、岡谷方面に下ることにする。

駐車場はすっかり雲の中に入った (上から2枚目の写真と同じ場所で撮影)
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山頂から少し下ってきたところにて
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高ボッチ山山頂を望む。さまざまな緑色と朱色
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 国道20号まで下り、塩尻峠を越える。ここからの諏訪湖も見事なものだが、高ボッチ山のあとだと視点が低い分広がりに欠けて見えてしまう。
 高速道路乗り放題を活用して、岡谷ICから諏訪ICまで高速を使う。インターを出るときに少し道を間違えたが、国道152号で杖突峠へ。カーブが続く急坂が続く険しい道だ。
 峠の手前にドライブインが何軒か集まっていて、ここからの眺望が良い。諏訪湖は少し遠いが、茅野、上諏訪の街や八ケ岳山麓が望まれる。

諏訪盆地東部と諏訪湖の眺望
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雲が覆う八ケ岳の山麓
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 標高約1,230メートルの杖突峠を越えると、緩やかな下りになる。南北で随分表情の異なる峠だ。
 藤沢川の谷間に水田地帯が広がり、集落が点在するのどかな景色が続く。ソバの白い花が咲いている。伊那地方は晴天で、高さのある雲が浮かんでいる。気温も25度を超えて暑い。イネの背の高さを除けば夏のようだ。

 12時を回ったので、高遠の街に入ったところで昼食の場所を吟味。
 でーひらさんが調べてくれた、中心部にある「入野屋」という蕎麦屋に入った。高遠そばは辛味大根おろしに焼味噌を溶いてつゆにするのが特徴だが、私は辛味大根がニガテなのでもりそばにした。特産のキノコが入った炊き込みご飯をつけても900円で、蕎麦の盛りもしっかりしていた。

昼食は高遠で蕎麦
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 店を出たあと、でーひらさんが「そういえば俺の蕎麦の先生が高遠そばは旨いって言ってたわ」。彼が蕎麦の先生に師事していたとは知らなかったし、作務衣を着た気難しいおっさんと蕎麦打ちをする様子を想像して笑ってしまった。

次の記事 

宇治神社と宇治上神社に参詣する (青春18きっぷでめぐる冬の関西6・終)

旅行日:平成29年12月(18~)19・20日⑥
最初の記事 和田岬線沿線を歩く
前の記事 あべのハルカスにのぼる
 青春18きっぷでめぐる冬の関西、二日目。あべのハルカスに昇るという目的を果たしたので、天王寺から奈良周りで京都に抜けることにした。
 ところがJR大和路線が運転見合わせで近鉄への振り替え乗車となり、予期せず近鉄奈良駅に降り立った。近鉄とJRの奈良駅の間には距離があり、辛くも12:10発の奈良線の普通列車京都ゆきに間に合った。

観光案内所として保存・活用される先代の奈良駅駅舎
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 奈良線は単線区間が多く残るが、列車本数が多いため、普通列車は特に交換待ちが多い。103系は通勤用の4ドア車であり、ドアボタンがついていない。そのため、駅で待つ度車内に寒風が吹き込む。今は昼間だからまだいいものの、朝晩はつらかろう。

山城青谷駅での交換中のヒトコマ
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 城陽から北は部分的に複線区間が混じるようになり、残る単線区間でも複線化事業が進められている。切り通しや築堤の幅を拡げる工事が行われていた。
 12:52着の宇治で下車。平等院には二度訪れたことがあるので、今回は宇治橋を渡って宇治神社、宇治上神社に参詣することにした。

宇治川に架かる宇治橋から
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わずかに紅葉の名残り
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 琵琶湖の水を集めて滔々と流れる宇治川を渡り、右岸の細い道を辿る。茶を商う店が多いのは地域柄だ。
 宇治神社の鳥居は宇治川の河畔近くにあった。

宇治神社の鳥居
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 宇治神社は山城国宇治郡宇治郷の産土神。第15代応神天皇の皇子であり、仁徳天皇の弟にあたる菟道稚郎子を祀る。この地には菟道稚郎子の離宮「桐原日桁宮」があり、兄に皇位を譲るために自害したとされる。
 平安時代に「宇治」に固まる以前には様々な漢字が使われ、その一つが「菟道」であった。そういった意味でも、宇治の地と関わり深い神様であるといえる。
 創建時期は詳らかではないが、平安時代の『延喜式』の神名帳には「宇治神社二座」の記載がみえ、これが宇治神社と宇治上神社であるとされる。
 本殿は鎌倉時代後期の造営で、檜皮葺の三間社(正面の柱が3間)流造り。重要文化財指定を受けている。

拝殿でもある入母屋造りの桐原殿
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中門と透垣があり、本殿を配置
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鎌倉時代に建立された本殿
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正しい道に導くとされる「見返り兎」。菟道稚郎子を振り返りながら道案内したウサギの伝承に由来
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 さわらびの道を歩き、隣接する宇治上神社へ。木立に隠れているが、沿道には関西電力(旧宇治川電気)の宇治発電所がある。大正2年(1913)竣工の赤煉瓦の発電所だというが、見えなかった。
 宇治上神社の参道は何やら工事中。この時期は紅葉シーズンと正月に挟まれた閑散期だから仕方ない。

宇治上神社の鳥居
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 宇治上神社はもともと宇治神社の摂社であったとされ、両社が分離したのは明治19年(1886)のこと。当社は菟道稚郎子と応神天皇、仁徳天皇を祀る。
 拝殿は鎌倉時代初期の造営で、六間社(正面の柱が5本)の切妻造り。
 本殿は平安時代末期の造営で、五間社流造り。現存する中では、神社建築としても流造りとしても最古となる。本殿の中には3つの内殿があり、三柱の祭神を祀っている。
 旧い神社建築であり、拝殿と本殿が国宝に指定されている。
 
国宝の拝殿
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現存最古の神社建築である本殿
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冬の柔らかな日差しを浴びた格子
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 境内の春日神社は摂社の一つで、建御雷神と天児屋命を祀る。その本殿は小さなものだが、鎌倉時代後期の造営で重要文化財指定を受けている。

春日神社本殿
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境内のクチナシの実
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青空に映えるナンテンの赤い実
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 列車の時間を気にしつつ、宇治橋の袂の通圓という茶舗に立ち寄る。創業永暦元年(1160)という超がつくほどの老舗で、店舗も寛文12年(1672)の建築と古い。しかし、気位の高い感じはなく、気軽に抹茶ソフトクリームを買う。
 14時の気温は9.6度だったが、陽射しが暖かいので外で冷たいものを食べられないほどではなかった。

抹茶ソフトクリーム (写真がイマイチで申し訳ない…)
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複線化工事の進む奈良線宇治川橋梁
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宇治駅で先の長くなさそうな103系電車を撮影
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 京都15:00発の新快速近江今津ゆきで長い帰途に就く。普通列車乗り継ぎの場合の“終電”は京都16:00発なので、1時間の余裕を持っていることになる。
 新快速は湖東盆地を快走し、米原へ。米原・大垣間の関ケ原越えは18きっぷシーズンには混雑するが、難なく座れた。夕陽を浴びた伊吹山をゆったりと眺められた。

雪と石灰で白い伊吹山
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近江長岡駅ではホームにも雪が…
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 大垣には16:33に着き、8分の接続で特別快速豊橋ゆきに乗り換え。夕ラッシュにかかり、岐阜で席が埋まり、名古屋で大混雑となった。あっという間に陽が暮れ、闇の三河路を進む。
 豊橋では22分のインターバル。接続時間が長いお陰で難なく座る。
 次の乗り換えポイントとなる浜松では12分で熱海ゆきに接続するが、さらに15分後の「ホームライナー静岡6号」を利用する。プラス320円で特急用のシートに1時間座れるので、遠鉄百貨店の地下でしっかりビールとつまみを用意して乗り込んだ。

ホームライナーで長い静岡県を緩和する
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 20:34着の静岡で先行の熱海ゆきに追いつき、普通列車の旅を再開。ここでも難なく座れたので拍子抜けだ。18きっぷの利用期間とはいえ、利用者の多寡にはムラがあるようだ。
 熱海での接続も間があり、19分待ち。ラストスパートをかける。相模線への接続も悪いため、23:02着の藤沢で下車。京都から7時間の乗り継ぎであったが、比較的空いている列車が多かったので、キツいという感じはしなかった。

あべのハルカスにのぼる (青春18きっぷでめぐる冬の関西5)

旅行日:平成29年12月(18~)19・20日⑤
最初の記事 和田岬線沿線を歩く
前の記事 姫路城下町散策と黄昏の天守
 冬の関西、第二日目。朝7時過ぎにに環状線大正駅前のホテルを発つ。
 まずは歩いて木津川に架かる大浪橋に立つ。低地を流れる川なので、太鼓橋のようになっている。
 少し上流には環状線が通っているが、河川に対して斜めに架かっているため、トラス橋の構造が変わっている。強度を増すために斜材を「X」字型に入れたダブルワーレントラスで、しかも左右が半分ずつずれている。それに、端部が垂直になっているトラス橋は珍しい。
 この区間の環状線が開通したのは昭和36年のことであるが、遡ること33年、昭和3年に大阪港に到る関西線の貨物支線として開通している。貨物線時代は単線供用であったが、主要構造物は複線分が用意されていた。

環状線木津川橋梁を渡る新型電車
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 次の芦原橋駅で18きっぷに入鋏印を捺してもらい、3回目(1回目は諏訪盆地方面、2回目はこの前日)がスタート。
 とりあえず新今宮でJR大和路線に乗り換えてどこかで朝食でもと思っていたのだが、これぞと思う駅が見つからなかった。久宝寺まで往復して終わる。

 8時半過ぎに天王寺駅の改札を出て、向かうのはあべのハルカスの展望台「ハルカス300」。今回の旅では天気が良ければ昇ろうと決めていた。
 混雑を見越して開館10分前に16階フロアの受付に並んだものの、私が一番乗りであった。大人1,500円のチケットを購入し、エレベーターの前で時刻を待つ。
ハルカス300に一番乗り
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 係りの方に恭しく迎えられ、最初のエレベーターに乗り込んだのは3人だけ。ちょっと拍子抜けだ。
 エレベーターは上部がガラス張りになっており、滑走路をモチーフにした光が点じる。あっという間に地上288メートルの60階に到達する。
 展望フロアは58~60階が充てられており、60階がメインともいえる天上回廊だ。西側から窓辺を回っていく。

大阪港と六甲山地
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天王寺動物園に落ちるハルカスの影
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中央が谷町筋。左に天王寺動物園、右に四天王寺
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天王寺駅に出入りする環状線と阪和線電車
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大阪平野の奥は屏風のような生駒山地。生駒山は左の高み
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大阪平野南部。手前の宏大な敷地は瓜破霊園
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阪神高速と南海電車に挟まれた低層建築の密集地
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 標準レンズで撮影しながら一周すると、今度は望遠レンズでもう一周。少しずつ客が増えてきた。

天上回廊はまさに回廊の造りで、中央部は吹き抜け
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ビルに埋もれた通天閣
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天王寺動物園。中央にキリンが2頭見える
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短距離支線である阪神高速西大阪線
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赤い塗装のゲルバートラス橋の港大橋はよく目立つ
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万博記念公園を遠望。太陽の塔が超小さく見える
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四天王寺
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大阪城公園
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上町台地の西側は寺町のため、帯状に高い建物がない
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高層ビルが林立する梅田駅方面
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58階はカフェスペース
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 1時間以上も滞在し、回廊を3周もしてしまった。
 エレベーターを乗り継いで地上に下りた後は、阿倍野筋を南に歩き、あべのハルカスの全景を撮れるところまで離れた。さすがに高い。

阿倍野筋から見上げるあべのハルカス
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 朝食兼昼食を摂り、天王寺駅に戻ると改札周りがバタバタしている。案内板を見るとJR大和路線の志紀駅で線路内人立入が発生し、運転見合わせ。奈良から京都へ抜けようと思っていたのだが…。
 間もなく振替輸送が始まるはずという駅員の言を信じ、とりあえず環状線で鶴橋へ移動。絶妙なタイミングで振替輸送が始まり、近鉄線の乗り換え改札で振替乗車票をもらった。振替輸送の依頼側が配る関東とは異なり、受託側が配るのが関西方式。鉄道会社ごとに回収されるので、取りこぼしが少ないのだろう。

 ホームに降りると丁度11:30発の快速急行近鉄奈良ゆきが出るところであった。すぐに発車し、大阪線の急行五十鈴川ゆきとぴったり並んだ。奈良線は東大阪市の瓢箪山まで一直線に大阪平野を貫き、そこで大きくカーブすると今度は生駒山地への登りにかかる。みるみるうちに大阪平野が下方に展開した。JR大和路線の亀ケ瀬あたりの陰気な峡谷風景も好きだが、この底抜けに明るい景色もまた良い。途中下車したくなるくらいだが、振替輸送中であるし、快速急行は奈良県に入った生駒までノンストップだった。
 平城宮の跡を横切って地下に潜り、12:02に近鉄奈良に着いた。

近鉄奈良駅に到着
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次の記事 宇治神社と宇治上神社に参詣する

しっとり雨の伊豆天城をドライブ―万城の滝、ワサビ田、浄蓮の滝、内浦で鰺

旅行日:平成30年5月31日
 5月病というわけではないが、体調を崩したりして半月ほど出掛けられなかった。休みの並びも良くなかった。5月末も泊りがけの旅の予定が雨で流れた。今回は雨では都合が悪い事情があった。
 その代わりに、雨の日らしい景色を見に出掛けた。

 5時半過ぎに出発し、海に向かって南下。茅ケ崎海岸から国道134号を西へ走る。昨夜からの雨は上がっていて、富士山も姿を見せている。
 箱根の二子山も見えるので、大観山からの景色を期待して箱根新道に針路を採った。が、外輪山の内部には濃い霧が立ち込めていた。そのまま県境を越え、長い坂を下った。

重畳たる山襞を埋める靄 (三島市谷田にて)
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 三島塚原ICから伊豆縦貫道や国道136号を経て南下し、8時半ごろに修善寺で朝食。
 修善寺からは大見川に沿いを県道12号で東へ。梅木という集落にはレンガ造りのアーチ橋が通る。
 この橋は明治44年に竣工した梅木発電所への導水路を通すためのもので、6連のアーチ橋を採用している。発電所もレンガ造りで竣工し、水路橋ともども茶屋が出るほど見物人で賑わったという。が、発電所の建物は昭和5年の北伊豆地震で倒壊し、現存しない。のちに木造で再建され、現在も稼働している様子だった。

レンガ造りの水路橋
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あたりは水田地帯。田んぼには大きなオタマジャクシが泳いでいた
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 次に訪れたいのは万城の滝。大見川支流の地蔵堂川に懸かるという。
 キャンプ場を併設した意外と広い駐車場にクルマを停め、谷へと下る。轟音が聴こえてきて、端正な滝が現れた。

万城の滝
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 滝の落ち口の回りの柱状節理が見事だが、これはモルタルなどを入れて補強した姿だという。この場所は古い火山である天城の熔岩流の先端にあたり、差別浸食によって滝になったのだろう。かつては柱状節理の下まで遊歩道がのび、滝の後ろに回ることができる「裏見の滝」だったそうだ。
 大々的に手を加えたという経緯があるため、伊豆ジオパークのジオスポットに加えられなくなってしまったという。いま、私たちが愛でている景観も、あくまで自然が移ろいゆく中のヒトコマに過ぎないということを肝に命じなくてはならない。
 とはいえ、勢いよく落下する水の音を轟かせる見事な直瀑であった。

NDフィルターを使用して撮影、15秒露光
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落ち口のあたり
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上から吊るしたような柱状節理
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サワガニを発見。カメラに向かってピース?
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 県道に戻り、さらに大見川の上流へ向かうとワサビ田が増えてきた。
 天城の山懐に抱かれた筏場という集落は特にワサビ田が多いところだ。ここには9年前にも来たことがあるが、これほどの規模だったことは忘れていた。

筏場集落内の田んぼとワサビ田。地図記号はどちらも「水田」
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集落よりも上流で、谷を覆いつくすワサビ田。ワサビは日光に弱いため、日除けが連なる
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天城の澄んだ湧水が段々に流れ落ちる
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 やや道の狭い国士峠を越えると、湯ケ島で国道414号に出る。せっかく近くまで来たので、浄蓮の滝も見ていく。止んでいた雨が再び降りだした。
 伊豆半島の東部には一度の活動だけでできあがった単成火山が多い(伊豆東部火山群)が、浄蓮の滝の誕生もそうした火山である鉢窪火山と関わっている。約1.7万年前に噴火した小さな鉢窪火山は熔岩を流して谷を埋め、そこを本谷川(狩野川上流部の別称)が侵食して滝が生じた。
 狭い谷にも土産物屋が進出し、滝壺の下流はマス釣り場になっており、全体的に騒がしい雰囲気だ。

浄蓮の滝
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鉢窪山と浄蓮の滝の位置関係
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(地理院地図「自分で作る色別標高図」で筆者作成、註記加筆)


滝から続く本谷川
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熔岩の下からの湧水を生かしたワサビ田を間近に見ることもできる
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 一旦、湯ケ島に戻り、猫越川方面へ。下ノ段の棚田が見たかったのだが、残念ながら休耕中。鹿害が著しく数年前から耕作を行っていないそうだ。
 この辺りは鉱物が多いらしく、持越川の上流にはかつて持越鉱山(金鉱山)が操業していた。昭和53年の伊豆近海地震の際には鉱滓ダムが決壊し、狩野川をシアン化合物が流下する被害を出した。

耕作が行われていなかった下ノ段の棚田
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河床の岩石に特徴がありそうな持越川
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金山という集落の棚田
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 長岡まで戻り、半島西側の山を越えて内浦湾沿いに出た。ここは沼津市であるが、旧田方郡内浦村(明治29年までは君沢郡、昭和30年に沼津市に編入)であるので伊豆国にあたる。
 内浦漁港にある「いけすや」で昼食。沼津市を本拠の一つとするでーひらさんには「観光客向けだよ」と言われていたが、ちょるや氏やへびぼんさんが上げていた画像に惹かれて来てみた次第である。

雨の内浦漁港
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漁港内にある「いけすや」
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 ここのメニューはアジ尽くし。「満腹御膳」という活アジ丼とアジフライが両方楽しめるものを註文した。アジには脂がのっていて、フライも肉厚で、とても美味しかった。

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 まだ14時過ぎだが、沼津市まで来てしまうと手詰まり感がある。温泉に浸かっていくことにし、ルートに近い函南町の「湯~トピアかんなみ」へ。町民向けといった感じの施設ではあったが、浴室は広々としており、ゆったり入浴できた。

「湯~トピアかんなみ」
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雨に濡れるヤマブキの花
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 16時頃に出発し、往きと同じ箱根新道経由で帰途に就く。前も後ろも詰まった状態での下りの運転は作業感が強く、眠くなってくる。このルートだと真鶴道路はもちろんのこと西湘バイパスの石橋料金所もパスできるので、橘料金所で260円払うだけで済む。
 藤沢市内の渋滞を避けるべく、辻堂で買い物をして時間調整。

 走行距離は263キロ、実燃費は23.61キロ/リットルであった。気温が低くて冷房を使わずに済み、箱根峠をした割りには高数値が出た。

Appendix

プロフィール

さがみぃ

Author:さがみぃ
相州生まれの相州育ちです。
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